タイマーがついてるみたいにきっちり4時間置きに目覚めるこども。
朝も夜もなく、泣き声を合図に抱きあげておちち。
それからちいさな口でおおきなあくびをして
すんなりとまた眠りにおちる時もあれば
グズグズと泣いて1時間以上起きているときもある。
子守唄を歌ったりトントンとリズミカルに背中をたたいたり
抱っこをしながらゆらゆらと揺らしたりお散歩をしたり…

試行錯誤の末、ああやっとねむそうに目をこすりはじめた！
あくび…もうねるか…？ねる…？ね…た？ねた！
抱っこをしている腕もすっかりしびれていたので
達成感に酔いしれつつしかし慎重にベッドの上にそうっとそうっとおろした瞬間

「ほぎゃあ」

・・・起きた。

また子守唄からのセットをやり直し。
これを幾度となく繰り返した。
毎日こんな感じで寝不足、わたしの心の余裕もどんどんなくなる。
ようやく寝たこどもを、神経をはりめぐらせてベッドにおろした瞬間
やっぱり起きてしまうのだ。なんてこった！わたしは頭を抱えた。
「背中にスイッチでもついてるんじゃない？」

それから数年かけて
「いっぴきの野ネズミ」という唄を延々60ぴきぐらいまで歌い続けたり
その時々のブームの絵本を毎晩何度もせがまれたり
「寝かしつけ」はこどもの成長とともにバージョンアップをくりかえしながら
刻々と変化していった。

わたしが最初に感じた「もしかすると大変だぞ」という思いは
早々に確信へ、そしてひらき直りへと変わった。
うん、あせったって寝ないときは寝ないし
意外と拍子抜けするくらいうまくいくことだってあるもんね。
問題はただひとつ。じぶんの心の余裕次第、ってところだ。

心に余裕がないとイライラばかりがつのり、つい大声をだしてしまうこともある。
逆に、余裕がある時はじぶんも絵本の内容をこどもといっしょに楽しんで
雰囲気をだしてみたり、こどものリアクションから思わぬ発見をしたり
成長を感じたりすることもある。
そっちのほうが自然とこどももすんなり眠りにおちるのだ。
「寝かしつけ」はこちらの心の余裕をはかる、バロメーターかもしれない。

毎晩かならずやってくるベッドタイム
できればこどもといっしょに楽しみたい。
おそらく数年後には、ひとりで寝るようになるであろうこどもと過ごす
今しかない貴重な寝る前のひとときを大切にしたい。
そして願わくば、イライラ顔ではなく笑顔で
眠りの世界に旅立つこどもを見送ってやりたい。

そんな想いから、絵本オフトンをつくりました。